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現在、小学校でICTを効果的に活用することにより「分かりやすい授業」、「楽しい授業」を行うことが求められている。しかし、どの学年から始めるのが適切なのか、どの教科学習でICTを活用するのか、どのICT機器を誰が使うのか(教師か児童か、双方ともに、あるいは一方のみか)、また、保護者の理解や支持を得ているのか、といった点が、実際の教育現場では明らかに示されていない。小学校5・6年の高学年生や中学生以上を対象としたイベント的な授業事例や、複数クラスや複数人でタブレット端末を共有して行う学習活動などのモデルプロジェクトはあるが、低学年生からの一貫したICT活用指導計画は明確ではなく、さらにその教育効果の継続的評価・分析や、保護者の意識についても検証が必要である。
学習習慣の躾として、小学校に入りたての1年生の段階から、「国語」・「算数」・「生活科(総合)」などの教科において一連の指導計画(カリキュラム)にタブレット端末の活用を組み込んで、1人1台タブレット端末を児童が文房具として使うことで、「分かりやすく楽しい授業」を通して、自らタブレット端末を利活用した学習習慣を身につけさせることが可能となる。
そこで、慶應義塾幼稚舎を研究フィールドにして、筆者が幼稚舎で担任する小学校1年生(児童数36名)のクラスにおいて、1人1台タブレット端末を導入し、継続的なカリキュラム開発と、2年間の授業実践の構築、教員の直接観察法と、児童・保護者の意識調査から効果を検証・分析する実証研究を行った。
本研究により、初等教育の低学年から始めるタブレット端末を活用した一連の指導計画の開発と授業実践の有効性を提示した。同時に、児童の文房具としてタブレット端末を活用する能力の向上、保護者のタブレット活用学習に対する賛同獲得という研究成果を示した。
キーワード: 小学校 タブレット端末 ICTリテラシ 文房具 指導計画
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科
MAUI Project
博士論文
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学位取得年度
2016年度 (2017年3月23日)
氏名
鈴木 二正 (SUZUKI, Tsugumasa)
論文題目
初等教育における1人1台タブレット端末を活用した授業構築
~慶應義塾幼稚舎低学年での実践~
論文要旨
連絡先
本文が必要な場合は下記までご連絡ください。
鈴木 二正 ( deniro at sfc.wide.ad.jp )
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