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本研究では、uncoordinated P2Pの運用の研究のために、BitTorrentを取り上げる。BitTorrentは今日のインターネットで最も広く使われている P2Pアプリケーションである。
一つ目の問題は、現実のBitTorrent Swarmのトポロジが如何に動的であり、全体の動作にどう影響するのか、その実態をどうやって解明するかである。
本研究では、正確で単純な手法を用いて現実の BitTorrent swarmを計測することでBitTorrentのネットワークトポロジを明らかにし、BitTorrentネットワークについて研究した。
先行研究がPlanetLbやOneLab上にBitTorrentネットワークの小型テストベッドを作成して研究しているのと異なり、本研究では、BitTorrent Peer Exchange (PEX)メッセージを利用して、 BitTorrent trackerに記載されている BitTorrent swarmのトポロジを推測し、インターネット上で最大の BitTorrentネットワークを求めた。
この推測手法の正当性の検証にはシミュレーションを利用し、シミュレートされたネットワークと、そのネットワークのPEXメッセージから推測したネットワークを比較した。
コルモゴロフ-スミルノフ検定と尤度比検定を用いて検証した結果、べき乗分布より、指数関数的カットオフの存在するべき乗分布に近いことがわかった。
また、クラスタ係数の平均はとても小さく、現実の BitTorrent swarmはランダムネットワークに近いことも分かった。
BitTorrent swarmは、従来考えられてきたように潜在的にパフォーマンスを最適化を試みていると言うより、動的である。
現在のコンテンツ配送アーキテクチャでは、 CDN事業者とISPはP2Pの長所を活かしてハイブリッドCDN-P2Pを採用している。
P2P側では、ライブストリーミングのために、サブストリーム毎に木構造を基本としたオーバーレイネットワークを構築している。
これは、全てのピアがアップロード帯域に貢献することを保証する。
各々のCDNサーバは、 P2Pの悪い副作用を回避するために、現在そのサーバに割り当てられているクライアントを記憶している。
各々のクライアントは、自分のCDNサーバに割り当てられている他のクライアントを学習する。
ハイブリッド CDN-P2Pアーキテクチャなので、データ配送のワークロードのうちいくらかはピアに分担され、CDNサーバは電力消費を抑えられる。
本研究で扱う二番目の問題は、CDNと比較してハイブリッド CDN-P2Pアーキテクチャが持つトレードオフである。
本研究では、電力消費によって必要となる冷却のコストを含め、 CDNサーバとルータの電力消費量の単純なモデルを提案する。
さらに、本研究による電力節約は、データセンターの容量計画にも利用できる。
最後に、我々が提案する方法は、P2Pネットワークを特徴づけることにも利用でき、ハイブリッドCDN-P2Pのよるエネルギー消費の意味で、データセンターの容量緩和の促進に利用できる。
キーワード: P2P, BitTorrent, Peer-Assisted CDN, Power-Law, CDN,エネルギー
慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科
MAUI Project
博士論文
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学位取得年度
2014年度
氏名
ハウジー ムハマド (MOHAMAD Fauzie)
論文題目
Analysis of Peer-to-Peer Operation in Content Delivery
論文要旨
連絡先
本文が必要な場合は下記までご連絡ください。
ハウジー ムハマド ( dikshie at sfc.wide.ad.jp )
MAUI Project, Keio University Graduate School of Media and Governance
Last update: August 27, 2014