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学位取得年度 | 2000年度 |
氏名 | 長 健二朗 (CHO, Kenjiro) |
論文題目 | ALTQトラフィック管理システムの設計と実装に関する研究 |
論文要旨 |
QoS (Quality-of-Servie)を実現するトラフィック管理技術は、
インターネットにおける重要な課題である。
この分野では、現在までに多くの研究がなされてきているが、
実際にはほとんど普及していないのが現状である。
その原因として、研究と実用に共に利用できるようなプラットフォ
ームが存在しない事が上げられる。
本研究では、QoSをサポートするためのアーキテクチャを検討し、こ れを基にBSD系UNIXの拡張としてALTQと呼ぶシステムの設計と実装を 行い、QoS実現のためのプラットフォームとして提案する。 ALTQシステムは、QoS機能を抽象化するシステムフレームワーク、 実際のQoS機能を実現する種々の制御機構、そして、システム管理機 構から構成される。 システムフレームワークは、既存のOSとQoS制御機構のインターフェ イスである。 ここでは、とくに現状のOSにおける出力キューの抽象化の問題点を 指摘し、パケットスケジューラやバッファ管理によってサービスの差 別化を実現できるキュー構造の抽象化を提案する。 また、そのために必要な既存のシステムに対する変更について検討し、 従来形式のデバイスドライバを段階的に移行する手法を提案する。 QoS制御機構は、サービスの差別化を実現する種々のQoSコンポーネン トから構成される。 これらは、パケットのフォワーディングパスに置かれるため、QoS制御 性能と同様にオーバーヘッドの低減が課題となる。 ここでは、ALTQシステムで動作する個々のQoS制御機構について、その 理論と設計、実装手法を検証する。 QoSシステム管理機構は、OSに組み込まれたQoS機構を管理する仕組みで、 QoSエージェント、QoS管理ライブラリ、モニタリングシステム等が含まれる。 ALTQシステムは、低オーバーヘッドで実用に充分なトラフィック制御 性能を実現しており、また、容易に拡張可能な柔軟な構成になっているため、 幅広い応用が可能である。 ALTQの目的は、今後の研究や実験に使えるQoSプラットフォームの提供にある。 実際にALTQはQoS関連研究やトラフィック管理に世界中で利用されている。 |
連絡先 |
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URL: http://www.csl.sony.co.jp/~kjc/papers.html |