慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科
MAUI Project
博士論文

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学位取得年度 2005年度
氏名 斉藤 賢爾 (SAITO, Kenji)
論文題目 i-WAT: The Internet WAT System - An Architecture for Maintaining Trust and Facilitating Peer-to-Peer Barter Relationships -
(i-WAT: インターネット・ワットシステム - 信用を維持し、ピア間のバーター 取引を容易にするアーキテクチャ - )
論文要旨

ピア間で利用できる補完通貨は、インターネット上の利己的なピア同士の交換を促進し、持続性のある関係を構築するための強力なツールとなり得る。

 i-WAT は、そのような通貨となるべく、多中心的な補完通貨として実際に利用されているワットシステムに基づいて著者が提案している通貨システムである。ワットシステムでは、参加者は、その価値が信用の連鎖により担保されている、ワット券と呼ばれる交換媒体を用いる。参加者は、必要に応じて自発的に券を振り出し、それを流通させることができる。i-WAT は、この券を、OpenPGP により署名されたメッセージの交換により、電子的に実現する。

 この研究は以下により、インターネット上での参加者間の良好な関係の構築と維持に貢献する:

  1. 信用と公正な交換のためのトータル・アーキテクチャの設計
  2. システムの信用モデルの構築と分析、およびその検証
  3. システムのインセンティヴ・モデルの構築と分析 (特に増減価型券の意味づけについて) およびその検証
  4. システムが、モラルハザードに対して、インセンティヴ整合的な耐性を持つという主張とその検証
  5. XMPP (Extensible Messaging and Presence Protocol) を利用するメッセージング・クライアントによるリファレンス実装

 著者は、2004年6月より i-WAT を実用化し、実際に運用している。

連絡先 本文が必要な場合は下記までご連絡ください。
斉藤 賢爾 (ks91@sfc.wide.ad.jp )


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