慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科
MAUI Project
博士論文

[ English | Japanese ]
Back to Index Page

学位取得年度 2001年度
氏名 宮川 祥子 (MIYAGAWA, Shoko)
論文題目 インターネット上の情報検索における社会的文脈の利用手法に関する研究
論文要旨 本研究の目的は, インターネット上の情報検索に社会的文脈を利用することで, 従来の方法では実現できなかったニーズを実現することである.

インターネット上の情報検索は, 従来のクローズドな組織内での情報検索や図書館情報検索のような目的を限定した情報検索と異なり, 利用者の検索ニーズと検索対象の意味的なマッチングが困難であるという問題, また, 得られた情報の信頼性の評価が困難であるという問題が存在する. 本論文では, これらの課題を解決するために, 『社会的文脈』とよばれる, 社会的集団において共有されている情報の意味理解のパターンを情報検索に利用するための手法を二つ提案する.

本論文で利用する社会的文脈は, 「専門分野における意味的相関性」, 「権威を持った機関への信頼」, 「人的ネットワークへの信頼」の3つである. これらは, インターネット上の代表的な情報表現形式である「共通データベース型」, 「階層型」, 「自己起点ネットワーク型」の3つの類型とそれぞれ対応している.

本論文で提案する第一の手法は, 意味的連想検索におけるメタデータ空間の構築と利用に関する手法である. 意味的連想検索において, メタデータ空間は, 問合せと検索対象の意味的相関性を計量するためのリファレンスとして利用される. 提案手法では, 専門分野のドキュメント群と用語辞典(シソーラス)を用いることで, その分野の専門家からなる社会的集団において共有されている, 専門用語の意味的相関性を表現するメタデータ空間を生成する. さらに, 生成されたメタデータ空間を利用して, 専門用語による検索要求の表現を支援するための手法も提案する.

第二の提案手法は, 電子証明書検証機構とデータベース検索の統合手法である.この手法では, インターネット上の情報の信頼性を評価するための機構としてPKIを利用する. この手法では, 権威を持った組織への信頼という社会的文脈を表現するPKIとして階層型のPKIXを用い, また, 人的ネットワークへの信頼を表現するためのPKIとして, PGNと呼ばれる証明書検証モデルを提案する. データベース検索機能とデータベースに格納された電子証明書を検証するためのPKIXとPGNという2つの証明書検証機能を統合する機構により, データベースに格納された情報の信頼性評価を伴う検索を実現する.

連絡先 本文が必要な場合は下記までご連絡ください。
miyagawa@sfc.keio.ac.jp


Copyright 2000, MAUI Project
Last update:

研究会のホームページに戻る