インターネット・リサーチ・ラボでは、すべての人がインターネットに接続しうる社会を目指して研究を行っています。 キャンパスは、開発した技術の実証や評価を行うことができるテスト・ベッドとして機能しており、多くの実績が上がっ ています。しかし、より高速でかつ広範囲にわたるコミュニケーション・インフラとして機能するためには、今後さらなる 研究開発の必要がありますし、責任もあります。そのような経緯からインターネット・リサーチ・ラボは、技術が人間と社 会にどのように貢献できるかということをテーマに設立されました。 20世紀は論理的な空間における様々な研究を行い、その評価を行った段階とすれば、今は物理的な空間において 「実空間のためのインターネット」について考えることが主要な課題です。例えば、インターネット自動車は、 実空間で得られた情報をインターネット経由で集めることで、今まででは考えられなかった様々な可能性を示し ています。これらの研究は、もはや仮想空間上だけではなく実空間上でインターネットをどう使っていくのか、 ということにフォーカスしています。 インターネットという研究分野は、企業との共同研究が前提であると考えています。共同研究の中から社会を作り、 そこからのフィードバックを受け取り、研究としての側面が強い場合は大学が担い、ビジネスとしての側面が強いもの は企業が担う。また、企業の開発力に加え、学生の発想やアイディア、夢など若い世代の発想やビジョンがどれだけ 研究活動に大切かということも認識しています。
インターネットはグローバルな空間を瞬時に越えることから、単なる通信メディアではなく人間社会における時間 や空間の考え方に大きく影響するコミュニケーション・インフラです。 一方、我々人類はさまざまなメディアを介しコミュニケーションすることで、社会生活に必要な情報を流通し、 信頼形成や意思決定を行っています。したがって、インターネットが人間の持つ特性や感覚を抱合し、より高速で 広範囲なコミュニケーション・インフラとして機能することによって、既存の社会システムの持つガバナンス、法律、 司法、行政、教育、福祉といった基本的な機能とその役割は見直さざるを得なくなります。このような背景を踏まえ、 インターネット・リサーチ・ラボラトリは、実社会とインターネットの融合を目指します。
これらの課題について、技術的側面と社会的側面から研究・開発・提言を行います。